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窓と結露

コラム 2021.12.09

1. 結露のしくみ

冬に窓に水滴がついている、あるいはコップの外側に水滴がついているのを見た経験は誰でもあるのではないでしょうか?結露は、簡単に言って暖かい空気が冷たいものに接触することにより生じます。空気には水蒸気が含まれています。その含まれている水蒸気の量は、空気の温度(気温)が高いほど多くなります。ある温度の空気が含むことができる最大の水蒸気の量を飽和水蒸気量と言います。結露のメカニズムはこうです。

ある温度の空気の飽和水蒸気量が60とします。その時の水蒸気量が仮に30だとすれば、湿度(相対湿度:天気予報の湿度はこれです)は50%です。このとき水蒸気の量が30のまま温度が下がり続けて、飽和水蒸気量が30を下回ると、空気に含みきれなくなった水蒸気が水滴となり、目に見える形になります。これが「結露」という現象です。(※ちなみに飽和水蒸気量が30で、そのときの空気が含む水蒸気の量が30のとき、湿度(相対湿度)100%となります)

2. 結露の問題点

結露自体は自然現象であり、「雲」、「霧」や「霜」を起こすものであり、特殊なものではありません。では、住宅において結露の何が問題かといえば、下のようになるかと思います。

① 窓ガラスのサッシ周辺部にカビが発生する
② 湿気が多くなるので、ダニが生育するのに好適になる
③ 建物の寿命を縮める
④ 掃除が大変

継続的に結露が発生することでサッシやガラス周りにカビが発生する可能性が高まります。皆さんもご存知のようにカビは一度発生すると完全に除去することは困難です。

カビは胞子を放出するので、ダニとともにアレルギーの原因ともなり得ます。結露を防ぐこと、発生頻度を抑えるために、断熱性の面では弱点となる窓(開口部)の断熱性を上げる効果は大きいと考えられます。なぜなら、窓およびサッシの断熱性を向上させることができれば、窓から熱を失う割合を減り、窓の表面温度の低下を抑制することができるからです。そうすれば、窓の温度が下がりにくくなるので、暖かい空気が窓に触れても、結露することを防いでくれます。窓の断熱化は健康面にとって大きなメリットがあるはずです。