お知らせ詳細

夏の暑さに窓対策

コラム 2021.12.09

部屋の断熱性は窓で決まる

夏において、室内に熱が入ってくる割合は、屋根11%、換気6%、外壁7%、床3%、そして開口部(窓)からが73%です(※1)冬において、開口部から熱が流出する割合は58%ですが、夏においては約7割です。冬の寒さに対する備えとして窓を考えることはとても重要ですが、夏の暑さ対策としての窓の大切さも変わりません。

室内温度が低いことは、健康に大きなリスクとなりますが、室内が暑いこともまた、問題です。夏の暑さが原因で「熱中症」にかかることもあるからです。ある研究によれば、熱中症患者の発生場所のトップは住宅で41%、運動中は8%、仕事場が11%、屋外19%と住宅内で発症する割合が1番大きいからです(※2)。また、夜の就寝中に熱中症になるケースもあります。

やはりここでも、窓(ガラス、サッシ)を交換、改修・リフォームすれば、日射の侵入を抑える効果が見込めます。日射が入り込む量を制限できれば、室内温度の上昇が抑えれます。結果として、冷房をつけていても、効率が上がるので(当然窓だけですべて解決するわけではありません)、熱中症のリスクを下げることにもつながります。また、冷房費削減効果もあります。

ただ、難しいのは日射熱を遮る効果の高いガラスを選びさえすればいいかというとそうでもないということです。それはなぜか?冬において窓から日射熱を取り込むことができれば、ガラスを通して入り込んだ日射熱により室内温度を上げる効果が見込めるからです。窓において日射を遮断することと日射をとりこむこと。このあたりのバランスが難しいところです。方角や季節を考慮し、適切な機能を持った窓を選ぶことが大切です。どのような場合にどのような窓が適切か。これは、機会を改めて説明したいと思います


※1:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会 「省エネ建材で、快適な家、健康的家」より
※2:厚生労働省 熱中症対策に関する検討会(第1回)2012.6.29「住宅内での熱中症対策に関する検討事例」伊香賀 俊治より